2015年7月2日木曜日

Belting Tips 23: バンドヴォーカルの注意点



 
バンドヴォーカルにまず必要な要素。
それはバンドに負けない声。

そして宿敵はギター...っと。

私も日本に居た頃はツインギター、6人編成のバックバンドで歌っていたので
バンドヴォーカルが抱える悩みはよ〜くわかります。

当時は「すごい声量だね!」と褒められることが嬉しくって、
とにかくバンドの音に負けないようにと頑張っていました。

でもこれ大間違い!


人間の体は大きな声で歌い続けるようにはできていません。

声の大きさや喉に掛かる負荷が一定レベルを越えると、
いとも簡単に喉/声は機能しなくなります。
これは実力のある歌手でも同じこと。
自分の喉の限界を知ってバランスを上手にコントロールしていかないと
ポリープや結節などヴォーカリスト人生を左右するような致命的な問題を発症してしまいます。

正しい発声をしていても、声が大きすぎると必ず喉に負担がかかってしまうんですよ。
いくら「お腹から声を出す!」と言っても声を作るのは喉、声帯ですから、
あまり無理をしないように気を付けて下さいね。


もしも2番のAメロに返った時に、低音が響かなくなったら
「サビの声が大きすぎる」ことを疑ってみてください。



人は誰でも大音量を聞くと「私も大きな声出さなきゃ!」と、
張り上げてしまうのが普通の体の反応です。


「声量」は歌唱技術を評価する一つのポイント。
確かに、強い地声、大きな声を持っていることはヴォーカリストとしての強みですね。
歌唱力や声量のあるとされるシンガーは強い地声+ベルティング発声で相乗効果を得ています。
ベルティング発声で得られる独特の響き方の存在を知らない人は
「声量」や「太い声」と勘違いしていますが、
実際は「声量」ではなく「響き方」なんです。


今日は自分が「声量がある」と思うシンガーの歌をじっくり観察してみてください。
曲の盛り上がりやエコー、ディレイなんかでそう聞こえるだけで、
実際のヴォーカルテンションは意外と冷静だったりすることが多いです。


バンドのメンバーを始め、PAさんにプロデューサー、
良いヴォーカルを聴かせる為には周りの正しい理解と協力は必要不可欠。

自分が「声を出しすぎて喉に負担が掛かっているな」と思ったら
きちんとバンドメンバーに伝えましょう。

そこでもし「お前声量ねーな」とか言われたら、、、
「お前何にも分かってねーな!」と優しく教えてあげてください;)



音楽に関わる全ての人がヴォーカルへの正しい認識を持てますように。



生身の体を使って音を出すヴォーカルは自分の喉が全て。


壊さないように大事にしてあげてくださいね。



Chico.