2015年1月15日木曜日

Belting Tips 12

《あなたはシンガー?それともアーティスト?》



photo by Wataru Umeda



歌と言ってもスタイルは様々。


レストランやバーで人の会話を邪魔せず心地よい歌を提供するシンガーや
その情熱と感情で自分を表現する事で人の心をガッシリ掴むアーティスト系シンガー。

前者はレッスンを受けて基礎を作り声のメンテナンスも好意的に行う方が多いのですが、
なかなかそうはいかないのが後者のアーティスト系。
今回私がお話したい方々です。




私がいくらベルティング発声が凄く良いよ!と言ったとしても、
「辛い事を歌ってるんだから歌は辛くて当然。楽に歌うなんて本物の歌じゃない。」
こんな風に思っている方も実はたくさんいるのではないかなと思います。
持て余すぶつけ所の無い感情を歌う苦しみで解消するというか。
私も20代の頃はそうでした。

まあそれでも良いんですけど、まずそんな歌い方していると
人にメッセージを届ける前に喉が潰れてしまう可能性があります。




自分が20曲を超えるステージに立つ所をイメージしてみて下さい。
声に不安はありませんか?
その不安が無意識に成功の邪魔をするんです。






ベルティング発声で楽に歌を歌う事は、
魂や感情が込もっていない/手を抜いている言う訳ではありません。
喉に負担をかけないで歌えるというだけで
使う声の質によっては相当体力を使います。

表現重視のアーティストなら薄々気づいていると思いますが、
頑張ろう!と気張るほど感情は上手く伝わらないこと。
喉やみぞおちに入る余計な力は感情をブロックしてしまいます。






人の心を打つ声は
お腹の底から強いエネルギーの爆発が何にも邪魔されずストレートに音になる時
否応なく込み上げて来る強いエネルギーに全てを明け渡し
我を忘れて魂に飲み込まれる瞬間に生まれます。

"Loose yourself and be magical."

感動的な歌詞やメロディーは必要ありません。







強い感情や情熱、本気で生きて来た人、傷ついた魂を持った人、
戦って来た人でないと出せない声があります。
感情のブロックを取り除いて
人に感動を与えて下さい。



Sia Chandelier / acoustic ver.





Chico.